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サキの忘れ物 [本のこと]

ここのところ忙しくて本を読む時間がない、と以前も記した様に思いますが、
こういう時に限って!
図書館で何か月も予約待ちしていた本たちが、続々と貸出可能になるんです。

なぜこのタイミングなのだ…。
せっかく読むのを楽しみにしていたのに、結局数ページしか読めないまま
返却日を迎え、なんとも言えず残念な気持ちになるのでした。

津村記久子さんの「サキの忘れ物」も、そのうちの一冊。

幸いにもこの作品は短編集なので、例え全部読めなくても、いくつかを
読むことができれば、無念さは軽減されるのがせめてもの救い(苦笑)。

さて、表題作にもなっている「サキの忘れ物」。
主人公の千春は高校を中退し、病院の喫茶店でアルバイトをしています。
家庭では両親の関係が冷え切っていて、千春に対しても無関心。
自分自身も夢中になれるものがなにもなく、唯一の友人ともうまく関係性を
保てないでいる。
そんなある日、お客さんが忘れていった一冊の本を手にしたことから、
彼女の人生が少しずつ動き出していきます。

今までまともに本など読んだことがない千春が、忘れ物の本に興味を抱き、
初めて読んでみようと思う場面。

千春は、これがおもしろくてもつまらなくてもかまわない、とずっと思っていた。
それ以上に、おもしろいかつまらないかをなんとか自分でわかるようになりたい
と思った。

千春の人生が動き出した瞬間です。
人生って、ほんの少しのきっかけで変わることができる。
魔法のように劇的に変わるのではなく、少しずつ動き出し前に進む。

それは特別な人にだけでなく、誰にでも訪れる可能性がある。
そんな風に考えると、じわじわと勇気が出てくるのでした。

ちなみに、千春が読んだ本は「サキ」という作家の本。
実在する人物なのか調べてみると、出てきましたよ!
ミャンマー出身のイギリスの小説家だそうです。

内容からして、千春が読んだ本は「サキ短編集」かな。
時間ができたら、読んでみようと思います。





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