SSブログ

命がけ [美術]

葛飾北斎のあまりにも有名な版画「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。

hokusai.jpg

ぱっと見、大きな波に視線が行きがちですが、よく見ると波の狭間に
船が三隻。
今にも大波にのまれそうになりながら、必死に船を漕いでる人々の
姿が見えます。
そして、遥か向こうには、自然に対峙している人々を見守っている
かのように、富士山が佇んでいる。

この絵を見ていると、なんだか勇気が湧いてくるので、デスクに
ポストカードを飾って仕事の合間に眺めています。

けれど、なぜ転覆しそうになりながらも、人々は必死に船を漕いで
いるのか。
今まで特にそのことについて考えが及びませんでしたが、本日の
朝日新聞の朝刊に興味深い記事が載っていました。

江戸っ子は、食べると75日寿命が延びるとされる初物に並々ならぬ
こだわりがあり、それが「勝つ男」に通じるカツオとなれば、10倍の
750日長生きできると信じられたそう。

この北斎様の絵に描かれている船は、押送船(おしおくりぶね)という
魚介を運ぶ快速艇。
命がけで江戸っ子の待つ日本橋の魚河岸に、初鰹を届けようとしている
のだとか。

あくまでも、その様な解釈もあるということだそうですが、江戸っ子の
初鰹に対する執念に驚きました。
そこまでして長生きしたいとは!

一つの絵にそのような物語がこめられているなんて、面白いです。
やはりこの絵からはパワーをもらえますね。

タグ:葛飾北斎
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。