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水道橋駿河台 [美術]

昨日5月5日は端午の節句でした。

家族に「昔の鯉のぼりは何色だったでしょう?」というクイズを
唐突に出されたので。

「黒でしょ?」と答えたところ。

一発で当たってしまい、つまらなそうな顔をされました(苦笑)。

だって、大好きな歌川広重の名所江戸百景の「水道橋駿河台」に
描かれているのです。
黒い鯉のぼりが、ドドーンと。

hiroshige_1.jpg

この大胆な構図ったら!
インパクトが強すぎて忘れようにも忘れられないですよね。

そもそも鯉は「鯉の滝登り」という有名な伝説があり、立身出世の
シンボルだったそう。
江戸時代には将軍に男の子が生まれると旗指物(家紋のついた旗)や
幟(のぼり)を立てて祝う風習があり、やがてこれが武家に広がり、
男の子が生まれた印として幟を立てるようになったのだとか。

これに対抗して町人の間では、立身出世のシンボルだった鯉を幟にする
という案が生まれ、鯉のぼりがあげられるようになったそうです。

この画でも、町人が考案した鯉のぼりを手前に描き、遠くに武家の幟を
描いて対比させているように見えます。

明治時代になると、真鯉と緋鯉の2色になり、昭和に入って青や緑などの
子鯉が登場したそうです。

最近では近所で鯉のぼりを見かけることが少なくなってきましたが、
鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいる姿を見るのは結構好きです。
そして、江戸時代のように黒い鯉だけよりも、カラフルな鯉の方が
見ていて楽しいですね。

ちなみに、この画はタイトルが「水道橋駿河台」ということで、
神田川、水道橋から南西方向にある駿河台の武家屋敷とその向こうに
富士山が描かれています。
昔はあの場所から富士山が見えていたなんて。
今度訪れた時には、富士山の姿を妄想してみようと思います。

タグ:歌川広重
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