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小村雪岱 [本のこと]

先日の記事でも触れたように、泉鏡花の「日本橋」で装幀家デビューを
果たした小村雪岱。

私は装幀家としての顔しか知らなかったのですが、挿絵画家や舞台装置家
などでも活躍されたそう。
そんな雪岱の魅力に触れることができる展覧会が、日比谷図書文化館で
開催されていたので、行ってきました。

日比谷図書文化館は、日比谷公園の敷地内にある千代田区の図書館。
昔この近くで働いていたことがあるので、私にとってなじみ深い場所です。

同じ日比谷公園内には、大好きな日比谷野外大音楽堂も。
今年こそは、ここでライブを見たい!
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日比谷図書文化館の建物は、上から見ると正三角形になっていて、建物の
隅が鋭角に尖っているのが特徴的。
施設内にはカフェやレストランもあって、ゆっくり過ごすことができます。
時々カフェでボーっとしたり、本を読むのがお気に入り。
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今回の展示「複製芸術家 小村雪岱 装幀と挿絵に見る二つの精華」。
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作品は、鏡花本、新聞連載小説の挿絵、雑誌の挿絵、資生堂意匠部、
九九九会の仲間たちの装幀本、大衆小説作家の装幀本というテーマで
展開されてました。

そして撮影可ということで、思わず写真を撮りまくりました(苦笑)。
その一部をご紹介させて頂きます。

まず、外せないのが鏡花本。
画家たちによって美しい装幀がほどこされた泉鏡花の著書は「鏡花本」と
呼ばれ、高く評価されています。

「日本橋」以降、ほぼすべての鏡花本の装幀を任されたのが、雪岱。
「雪岱」という画号も鏡花によって名付けられたのだとか。

もともと無名の日本画家だった雪岱は、この後装幀家としてだけではなく、
挿絵画家や舞台装置家としても活躍するようになります。
雪岱が鏡花本に力を入れたのは、きっと彼なりの恩返しなのでしょうね。
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「鏡花全集」の装幀は岡田三郎助ですが、雪岱文字が使われています。
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雪岱は1918年から1923年にかけて、資生堂のデザイン部門の前身である
意匠部に所属し、冊子「化粧」の表紙絵や雑誌の装幀などを手掛けました。
特に雪岱文字は、資生堂独自の書体「資生堂書体」の源流となり、
今でもポスターや商品パッケージに使用されています。
あの柔らかくてモダンな書体を生み出したのが雪岱だとは、驚きです。
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他にもたくさんの装幀作品や下絵などが展示されており、とても見応えの
ある内容でした。
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数年前に装幀の美しさに惹かれて手に取った「日本橋」の復刻版。
その装幀を手掛けた雪岱が、こんなにも様々な分野で活躍し、どの作品も
見とれてしまうほど美しいことに感動を覚えました。

展示を見に来ている方も予想以上に多くて、やはり魅力的な画家である
という証拠ですね。

残念ながら日比谷図書文化館での展示は3月23日で終了しましたが、日本橋の
三井記念美術館で「小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ」という
特別展が開催されており、こちらは4月18日までとなっています。
★展覧会サイト。
https://www.museum.or.jp/event/95059

★小村雪岱については、こちらの記事もどうぞ。
https://tsukimisou-rock.blog.ss-blog.jp/2021-03-22

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