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舞台「阿修羅のごとく」を鑑賞 [テレビ・映画・演劇など]

昨日記事にした小説「阿修羅のごとく」。
実は舞台版を観に行くために予習として読んだのでした。
※ネタバレもあるのでご注意を!

数年前に松本で観た舞台をきっかけに演劇に興味を持ち、2020年春に「桜の園」という舞台を観に行く予定でした。
演出がケラリーノ・サンドロヴィッチさん、出演が大竹しのぶさん、宮沢りえさん、黒木華さん、杉咲花さん、井上芳雄さん、生瀬勝久さんと超豪華な顔ぶれで、ものすごく楽しみにしていたのです。
ところが、折しもコロナが蔓延し始めた時期だったため、公演は中止になってしまい、本当に残念でした…。きっと関わった方たちは私以上に残念で、やるせない気持ちだっただろうと思います。

それを経ての今回の舞台。作品は違いますが、私にとってはリベンジです!。

演出は木野花さん、出演は小泉今日子さん、小林聡美さん、安藤玉恵さん、夏帆さん、岩井秀人さん、山崎一さんの6人。
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会場は三軒茶屋のシアタートラム。
世田谷線の駅のホーム横にひっそりと佇んでいるかわいらしい劇場でした。
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会場は、客席がステージの四方に設置されているセンターステージ仕様。
小さな劇場なので、ステージがものすごく近いんですよ!私の席は北ブロックの最後列のはじっこでしたが、それでも前から5列目で、ステージを見下ろす形なので至近距離でよ~く見えました。

しかし一つ難点があり。
北ブロックの席の人が出入口に行くためにはステージのサイドを横切らなければならず、上演中に万が一席を立つ際は手を挙げて係員に来てもらい、誘導して頂く必要があるのです。というのも、役者がステージを下りて周りを歩いたりする演出があるから、支障が生じてしまうとのこと(ステージ下りるの~?と思わず興奮)。

それは何としても避けたいので、事前にトイレを済ませて万全の体制で臨みました(苦笑)。とはいえ、もちろんやむを得ない場合は手を挙げればよいのです。

さて、舞台「阿修羅のごとく」について。
長女・綱子を演じるのはキョンキョン。着物姿が何とも美しい。サバサバしたところもあるが艶っぽさもある綱子の雰囲気に合ってます。もはやアイドルではなく女優さんなんだなとつくづく思いました。

次女・巻子を演じるのは小林聡美さん。母であり妻でもあり、家族を支えるしっかりものな巻子は聡美さんの雰囲気にピッタリ。演技のメリハリや客席を惹きつける力が抜群で、圧倒的な存在感。

三女・滝子は安藤玉恵さん。滝子は地味で男っ気なしと言われているけれど、実は少女っぽさを持っていると思うので、安藤玉恵さんが演じると、そういう部分がにじみ出ていました。

末っ子・咲子を演じるのは夏帆さん。姉妹の中で一番客観的に物事を捉えて、現代っ子ぽいクールさを持っているけれど、実は寂しがり屋。どこか憎めないところが夏帆さんに合っています。

キョンキョンと小林聡美さん目当てで観に行った舞台でしたが、気づくと私の中の四姉妹像は、すっかり今回の4人の女優さんになっていました。
役者さんたちが役によって色々な人物になっていく姿を見ていたら、思わず「ガラスの仮面」が頭をよぎる。私の中で、舞台といえば「ガラスの仮面」なので(苦笑)。

向田邦子先生の台詞は小気味よくて、小説で読んだ時よりも心に残るような気がします。日本語が美しいなと思いました。

木野花さんの演出も原作のイメージとはまた違ったところもあって、とても斬新で面白かったです。女優としては時々テレビや映画で拝見しておりましたが、演出もされているのを初めて知りました。

舞台の上には簡単なセットがあるだけで、後は役者の演技で場面を想像する。事前に作品を読んでいたというのもあるかもしれないけれど、あれはあの場面だなとすぐに想像がついてしまうから不思議。
それにセンターステージだと、観客はいろいろな角度から演技をみることができる反面、役者は四方から視線を浴びるのだから、ものすごい緊張感だろうと思います。

舞台の周りをグルグル歩いたり走ったり、舞台の上ではお腹から声を出して台詞を言う。エネルギー消費量もすごそうです。これを毎日続けるなんて、体力勝負なんだなあと思わず感心。

役者の呼吸まで聞こえてきて、生の迫力をじかに感じるのが舞台。小林聡美さんが凄みをきかせて睨む場面があって、ちょうど私の方を見たのですが、目力が強すぎ!
すぐ目の前で繰り広げられる世界に、終始圧倒されっぱなしでした。
テレビや映画とは迫力が全然違います。

実に濃密で、このうえなく贅沢な時間でした。
またこの感覚を味わいたいです。続編を熱望!
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こちらはパンフレット。かわいい栞つき。文庫本サイズで持ち歩きやすい。
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「阿修羅のごとく」はシアタートラムにて10月2日まで。
その後は兵庫県県立芸術文化センターでも公演予定。
詳細は公式サイトをご覧ください。
https://otonakeikaku.net/2022_asyura/



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