SSブログ

夏目家の人びと、漱石の家族 [夏目漱石]

久しぶりに漱石山房記念館を訪れました。

sosekisanbo_1.jpg

現在のテーマ展示は「夏目家の人びと、漱石の家族」。
sosekisanbo_3.jpg

漱石先生といえば、二男五女に恵まれた子だくさんの大家族。
頂き物があると子供たちに食べさせたり、お土産を買ってきたりと
優しい父親であった半面、神経衰弱に陥った時はとても怖い父親
として、子供たちの記憶に刻まれたそうです。

ちょうど神経衰弱がひどい時期に生まれ育った子供たちにとっては
怖い父親というイメージがあったそうですが、神経衰弱がおさまった
時に生まれた子供にとっては、優しいお父様というイメージだった
らしく、同じ子供でも大違い。

また、先生自身の生い立ちは、幼い時に里子や養子にだされるなど
不遇な少年時代を過ごしました。
随筆「硝子戸の中」にそのことが記されていたり、「道草」では
養父の金銭問題に悩まされたことを題材にしています。

漱石先生の作品は、どこか寂し気な雰囲気を感じさせるものが多い
のですが、子供の頃の体験に基づいているのでしょうか。

本展では先生の作品や日記、先生が奥様や子供たちに宛てた手紙、
家族写真などが展示されています。

イギリス留学中、奥様に手紙を書いてもなかなか返事が来ないので、
催促の手紙を送る先生がかわいい。
きっと寂しかったのでしょうね。
とはいえ、奥様の方も子育てに忙しくて返事どころではなかったよう
ですが。

子供たちへの手紙は、かわいい動物の絵や写真の葉書を選んでいたり、
内容にも優しい父親の思いが表れていて、とてもほっこりします。

弟子である森田草平が言ったように、夏目家は「吾輩は猫である」の
苦沙弥先生の家族そのもの。

にぎやかな家族ができてよかったですね、先生。

展示を見た後は、併設されているブックカフェで一休み。
先生の大好物だった空也もなかとほうじ茶を頂きながら、漱石先生も
この場所でお茶してたのだなと、しばし空想にふける。
sosekisanbo_4.jpg

ガラス張りでとても日当たりがよく、気持ちいい。
記念館の前に植えられている様々な植物たちも目に入る。

こちらの不思議な植物は芭蕉。
sosekisanbo_2.jpg

記念館のブログによると、漱石先生が「硝子戸の中」で書斎から外を
見渡し、最初に目に入るものとして記しているのが芭蕉だそうです。
南国っぽいバナナのような実がなっているのですが、バナナと芭蕉は
同じバショウ科の植物だとか。

その他にも漱石先生ゆかりの植物が植えられていて、それを見るのも
楽しいです。

★「夏目家の人びと、漱石の家族」は10月3日まで。
漱石山房記念館の詳細はコチラをどうぞ。
https://soseki-museum.jp/

★漱石山房記念館についての過去の記事はコチラ。
https://tsukimisou-rock.blog.ss-blog.jp/2020-11-07

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
広島長崎 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。