SSブログ

美しい本の世界<鶉籠> [夏目漱石]

夏目漱石「鶉籠」。

漱石作品の装幀の中では、色使いが控えめでやや地味な印象ですが、
よく見ると表紙が花模様の空押しになっていて、とても凝っています。
装幀を担当したのは、今回も橋口五葉様。

表紙。薄緑色がお上品。
uzura_2.jpg

背。
uzura_3.jpg

裏表紙。
uzura_4.jpg

花模様が美しい。
uzura_5.jpg

こちらはカバー。レタリングが素敵。
uzura_1.jpg

扉。レタリングに力を入れているのが伝わります。
uzura_6.jpg

「鶉籠」を世に出すにあたり、序文で漱石先生の意気込みが記されています。
収録されているのは、「坊ちゃん」「二百十日」「草枕」の3作品。

坊ちゃん
uzura_7.jpg

二百十日
uzura_8.jpg

草枕
uzura_9.jpg

奥付。
uzura_10.jpg

この写真は復刻版なのですが、発行者住所氏名の部分にあるケイ線は、
原本で貼紙訂正されていることを示したもの。
貼紙の下には、「和田む免」とあったようですが、発行の際に訂正貼紙をし
「和田む免嗣子/和田静子」となおしたものだそう。
そのような部分も忠実に再現されているとは、驚きと共に感動すら覚えます。

「鶉籠」は老舗出版社の春陽堂から出版され、春陽堂にとって初めての漱石作品。
以降、主要な漱石作品を次々と世に送り出しました。

漱石先生の美しい本へのこだわりは、この後もどんどん加速していきます。

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。