美しい本の世界<羅生門> [本のこと]
芥川龍之介にとって初の短編集「羅生門」。
装幀は、師である夏目漱石の影響を受けています。
こちらの表紙がそう。
漱石先生の「漾虚集」に倣って、表紙に藍布を用いているのです。
ちなみに先日ご紹介した「漾虚集」はこちら。似てますね。
背表紙。
こちらは本体をおさめる函。黄色が鮮やか。
扉。
扉の次に漢詩のような文字が書かれています。
そして、亡き師である漱石先生に捧げる言葉も。
奥付。
随所に漱石先生への想いが感じられて、胸がジーンとします。
この本にも収められている「鼻」という作品は、漱石先生が絶賛したそう。
先生は龍之介様にこのような言葉をかけました。
あゝいふものを是から二三十並べて御覧なさい。
文壇で類のない作家になれます。
当時まだ新進作家として歩き始めたばかりの龍之介様にとって、この言葉は
どんなにか勇気づけられたに違いない。
現に漱石先生の弟子たちの中でも、作家として一番名を残したのでした。
ところで、「羅生門」のラストの一文について。
この復刻版では、
下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。
となっているのですが、現在の文庫本などでは、
下人の行方は、誰も知らない。
となっています。
復刻版は、大正6年5月刊行の短編集「羅生門」の復刻で、その後大正7年に
刊行された短編集「鼻」に「羅生門」が収められた時に変更されたのだとか。
変更後の方が余韻を残していて、読者の想像をかきたてる気がします。
装幀は、師である夏目漱石の影響を受けています。
こちらの表紙がそう。
漱石先生の「漾虚集」に倣って、表紙に藍布を用いているのです。
ちなみに先日ご紹介した「漾虚集」はこちら。似てますね。
背表紙。
こちらは本体をおさめる函。黄色が鮮やか。
扉。
扉の次に漢詩のような文字が書かれています。
そして、亡き師である漱石先生に捧げる言葉も。
奥付。
随所に漱石先生への想いが感じられて、胸がジーンとします。
この本にも収められている「鼻」という作品は、漱石先生が絶賛したそう。
先生は龍之介様にこのような言葉をかけました。
あゝいふものを是から二三十並べて御覧なさい。
文壇で類のない作家になれます。
当時まだ新進作家として歩き始めたばかりの龍之介様にとって、この言葉は
どんなにか勇気づけられたに違いない。
現に漱石先生の弟子たちの中でも、作家として一番名を残したのでした。
ところで、「羅生門」のラストの一文について。
この復刻版では、
下人は、既に、雨を冒して京都の町へ強盗を働きに急いでゐた。
となっているのですが、現在の文庫本などでは、
下人の行方は、誰も知らない。
となっています。
復刻版は、大正6年5月刊行の短編集「羅生門」の復刻で、その後大正7年に
刊行された短編集「鼻」に「羅生門」が収められた時に変更されたのだとか。
変更後の方が余韻を残していて、読者の想像をかきたてる気がします。
2021-02-04 23:22
nice!(1)
コメント(0)
コメント 0