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美しい本の世界<漾虚集> [夏目漱石]

「漾虚集」は明治39年に大倉書店・服部書店から出版されました。

メインの装幀は橋口五葉、表紙の文字や挿絵は中村不折が担当。
倫敦塔をはじめとする7つの短編が収録されています。

表紙は藍染めの木綿に絹の外題を貼ったもので、派手さはないが、
細部にまで漱石先生のこだわりを感じます。
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「吾輩は猫である」と同様に天金。
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こちらも「吾輩は猫である」と同様にアンカットとなっているので、
ペーパーナイフで切って読むスタイル。
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扉は橋口五葉様によるもの。間に薄紙が挟んである。
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序文には「漾虚集」を出版した理由と、不折、五葉への労いの
言葉が書かれている。
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五葉様による目次。
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挿絵は不折が担当。
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扉絵は五葉様。
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もったいなくてペーパーナイフで切れないので、アンカット部分は
覗き込んで見ております(苦笑)
一部をご紹介。
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せっかくの五葉様による素敵な絵をちゃんと見れないのが少々残念。
でも、もったいなくて切れないんですよね…。

こちらは奥付。
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五葉様によるアールヌーボー調の装幀は、今見ても素敵です。
本当に凝ってますね。

ちなみに、収録されている作品自体は岩波文庫等から出版されてます。
岩波文庫版の解説でも言及されているのですが、「吾輩は猫である」や
「坊ちゃん」とはがらりと印象が違う作品が並んでいます。
陰と陽でいうと、陰なイメージ。

考えてみると、漱石先生の作品には陰のあるテイストのものも多いので、
この作品も漱石ワールドということになります。



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